香島ハナ – 眼からウロコのパーソナルカラー診断

複数の大学で色彩学を教えていらっしゃる香島ハナ先生に、パーソナルカラー診断についてお話いただきました。
2 回に分けてお送りします。

— 「パーソナルカラー診断」は、自分に似合う洋服の色だったり、メイクの方法を教えたりするための方法と思っていたんですけども、ハナ先生のお話を聞いて、認識がガラリと変わりました。 「身体の外見に現れている色彩」と「心の傾向性」の相互関係についての科学という感じで、その両面からアプローチして自分らしいスタイルを発見する、画期的な診断なんですね。まるで人相学みたいです。

(ハナ) そう気づいていただけてうれしいです。パーソナルカラーは、ほんとに奥深い世界なんです。しかも明確な理論体系とし てまとまっていますので、しっかり学べば誰でも実践することができます。

— 心の傾向性が、顔や身体の色、質感などにそのまま現れているという考え方が、パーソナルカラーのベースになっていますよね。逆に言うと、身体に現れている特徴を観察することで、内面の傾向性も見抜くこともできる。

(ハナ) その通りです。
パーソナルカラーは、ドレーピングなどの診断を行って、各人の特徴を 12 シーズン ( 春 ×3, 夏 ×3, 秋 ×3, 冬 ×3) のパーソナ リティに分類することから始まります。それぞれの特徴を知ることで、いろんなことにお役立ていただけると思います。

— このインタビューを通して、パーソナルカラー診断の奥深い世界を、皆さんにお伝えできればと思っています。

日本人の 70% は、エレガントサマー

— ハナ先生は、大学で色彩学を教えていらっしゃるそうですね。その恵まれた環境の中で、今まで合計 10000 人以上のパーソナルカラー診断を行い、蓄積された膨大なデータベースが研究のベースになっているとか。

(ハナ) はい。今は大学生だけではなく、もっと幅広く、多くの診断を行っていますし、診断後の変化の研究のために、10 年 以上追跡調査に協力いただいている方も結構いらっしゃいます。

— そのデータベースによると、日本人だけが極端に偏ったパーソナリティを持っていることが判ったそうですね。

(ハナ) 日本人の 70% がエレガントサマー ( 夏 )に分類されるんです。これほど1つのシーズンに割合が偏っている国も珍しいんですよ。セミナーなどで、生徒さんのほとんどがエレガントサマーだったなんてことも、よくあるんです。
日本人の分布割合はグラフの通りです。

— 面白い検証結果ですね。その偏りは、何を意味しているのでしょうか?

(ハナ) 外国人から見ていわゆる「日本人っぽい」と言われるような特徴が、エレガンスサマーの特徴と重なっている感じがしますね。具体的に言うと、温和で優しく、まじめな働き者で、調和的なのがエレガントサマーの特徴なんですよ。

— ちなみに他の国は、どんな感じなのでしょうか。

(ハナ) 他の国については、日本に比べてデータ量が少ないので正確な数字はお伝えできないんですけども、偏りが多かったとしても40% 程度ですね。イタリアは、カラフルスプリングが 40% を占めています。それ以上の偏りがある国は、今のところ見 たことがありませんね。
「この国の人って、こういう感じだね」という印象が明確な国は、割合が偏っている可能性が高いと思っていただいて良いと思 います。

— それはなんとなく、分かる気がします。日本は狭い島国で、同質性を保ってる珍しい国ですからね。国民の意見は右から左に一斉に揺れますし、日本国民全体が軟体動物のように見えるという海外からの意見もよく聞きます。国の特徴までもが パーソナルカラー診断で見えてくるわけですね、面白い!!

※ドレーピングをしている様子

診断の間違いやすいポイント

— しかし、それほど大きな偏りがあるのなら、他の先生達も気づきそうな気がするんですけど、「日本人はサマーに偏っている」ということは聞いたことがありません。
診断を間違いやすいポイントって、あったりするのでしょうか。

(ハナ) パーソナルカラーの診断は、理論は明確なんですけど、判定はとても繊細で、難しいものなんですよ。 たとえば、サマーとスプリングの両方の特徴を持っていて、どちらか判定が難しい場合などの「中間サイド」の判定は、とても難しいんです。実は、その人の性格や、些細な身振り手振り、行動、どのような癖があるかなども、重要な診断材料なんですね。

— 外見の特徴だけではなく、内面も診断材料なんですね!

(ハナ) そうなんです。心の傾向性や思い癖が、外見に現れているわけですから、全体を観察しながら診断をする必要があるんですね。

— パーソナルカラーは、見た目だけで判断するものだと思ってました。人間観察力が必要なのですね。 でもそれは、そう簡単に身につくものではないですよね?

(ハナ) 診断経験を重ねることが必要なのはもちろん、内面の特徴を見抜く力も必要です。パーソナルカラー検定に、実技テストを加えたら、もっと安定した診断が出せるようになるだろうなと思うんですけどね。

— 実技テストって、無いんですか?

(ハナ) ないんです。他の検定では、実務経験何年以上が条件のものもあったりするじゃないですか。クオリティを維持するためには必要なことだと思うんですね。 実務経験が少なく、内面を見ないで診断をすると、診断ミスが起きやすくなりますからね。

— なるほど、講師によって診断結果が違うのは、そういう理由からだったのですね。 内面も見ながら診断している講師かどうかを、診断を受ける側もチェックした方が良さそうですね(笑)

(ハナ) 私自身も、初めてパーソナルカラーの診断を受けた時は、診断結果に納得がいかなくて、別の先生のところに診断を受 けに行ったんですよ。そしたら、別のシーズンに診断されて・・・。どっちが本当なんだろう?って困りますからね。

相性を見抜くパーソナルペアリング

— 職業によるパーソナリティの偏りってあるのでしょうか。

(ハナ) あります。例えばワイルドウィンターはリーダー基質なので、枠にはめられるような仕事は向いていませんね。自分のパーソナリティに合っている職場を選んだ方がストレスは少なくなると思いますよ。

— 職業選びにも、パーソナルカラー診断を活用できるわけですね。 職場の中でうまくいかなかったりすると自分を責めてしまう人もいるけど、パーソナリティに合わないのなら転職した方がいいって考えると、気分が楽になることもあるでしょうね。 仕事には適性や相性がありますから、選択に迷った時などの指標になりそうですね。

(ハナ) カップルの相性とかも、見て分かったりしますよ。
あー、このカップルは間もなく別れるとか(笑) パーソナリティ同士の相性ってありますから、それは恋人達だけじゃなく、いろんな場面でも言えることですけども。 私はそれを、「パーソナルペアリング」って名づけたんです。
先日、幼稚園児を診断する機会があったんですよ。 診断が子育てに役に立つと考えたお母さんからの依頼だったんですけどね。 お母さんのパーソナリティ、お子さんのパーソナリティ、その組み合わせを知ることで、子育てがうまくいくコツってのが分かるんです。

— 子供達はみんな個性が全然違いますから、育て方に戸惑うことって多いですよね。

(ハナ) 子供達のパーソナリティを知っていれば、そのタイプに合わせて、効果的な言い方ができるんです。 親の期待に応えることに喜びを感じるタイプの子もいれば、自分の好きなことをやることに喜びを感じるタイプの子もいるし、 注目を浴びることに喜びを感じるタイプの子もいるんですね。それはパーソナリティを知れば分かるので、効果的に伝えられる わけです。 さらに、お父さん、お母さんのパーソナリティが分かれば、よりうまくいく方法をお教えすることもできるんですね。

— それが、「パーソナルペアリング」なのですね。

(ハナ)
お母さんと子どものパーソナリティの組み合わせの数は、12 シーズン ×12 シーズンで、144 通りあるわけです。 さらに女性同士、男性同士、男女関係、親子関係などでも意味合いが違ってくるので、それを含めると相当な数のペアリング があるわけです。
それぞれの組み合わせで、関係を円滑にするためのコツがあるんですね。 世の中の問題の多くは、人間関係から生まれているわけですから、職場でも、学校でも、家庭でも、老若男女全ての方に、パー ソナル・カラー診断は役に立つんですよ。( 次回に続く )

Profile

香島ハナ(かしまはな)
現在、複数の大学で色彩学を教えているビューティフルライフアドバイザー。 カラーデザイナー、色彩心理診断士、ネイルスペシャリスト、フラワーデザイナー等 の資格を有する。様々な教育機関での「色彩学」講義を中心に、一般向けにも美容 論やマナー講義、コンサルティングを行なうなど、幅広い分野で活躍している。 ハナ先生のために“ビューティフルライフアドバイザー”という言葉が生まれたほど。 パーソナルカラーシステム (4 シーズン ) の習得は、当時、満足のできるクオリティの教 育機関が国内になかったため、本場アメリカに渡り学ぶ。帰国後は色彩学、12 トーン のパーソナルカラーシステム等の研究を深め、さらにパーソナリティのデータを独自に 調査・蓄積、オリジナルのパーソナルカラー・システムを構築し現在に至る。 一度出逢えた受講生は、“根本的な精神論からルックスの変化、明るい人生の作り方 まで教われる。内面も外面も確実に変化した!”と好評で、毎回心奪われる講義を 展開している。

hana400

好評発売中! 香島ハナ先生の本

Look at You! (Kindle版) 香島ハナ著
世の中、見ている人は本当に見ている。つまり、誰にも見られていないようで、アナタ たちは常に見られていることを忘れてはいけません。就職試験の面接官、気配り上手 の秘書、はたまた鋭い観察眼をもつ主婦など。声をそろえていうことは「顔を見れば、 その人となりは、なんとなく分かる」と言う。それは、心の中が顔面からあふれ出て いるからでしょう。結論、顔や言動は人間の質が表れている。今までになかった「新 型パーソナル診断書」はあなたの雰囲気や言動を 4 つのグループにまとめた解説書で ある。その人の美しさとは、ズバリ人間性。たまに「自分のことが大好きな人」がいる。 そのような人は顔の作りは関係なく、自分自身を愛しています。自分の性格を理解し て愛しているからなのだ。謙遜ばかりしているそこのアナタ、自分がいちばん好きと自 信を持って言える人間になれるかもしれない、そんな一冊です。著者はこう思う、いま 一度考えてほしい“自分がどう思われているかがいかに大切か”と。

000